原子衝突セミナー

第31回原子衝突セミナー案内

行事委員会

日程

3月25日(月)
1限 9:00-10:30(90分) 講義A
2限 10:40-12:10(90分) 講義A
休憩(12:10-13:30)
3限 13:30-14:30(60分) 講義B
4限 14:40-15:40(60分) 講義B
3月26日(火)
1限 9:00-10:30(90分) 講義A
2限 10:40-12:10(90分) 講義A
休憩(12:10-13:30)
3限 13:30-14:30(60分) 講義C
4限 14:40-15:40(60分) 講義C

会場

オンライン会場(Zoomによる配信)

主催

原子衝突学会

内容

主に原子衝突と関連領域の大学院生・若手研究者を対象とした大学院レベルの講義。講義は、基礎的・包括的な内容の講義A(90分授業4時限分)と、最先端の研究例を学習する講義B・C(60分各2時限分)からなります。意欲ある学部学生の参加も歓迎します。

講師

各講義の概要

(講義A)
 中村信行 先生(電気通信大学)
  講義題目「多価イオン原子物理」
概要

 多価イオンとは広義では負イオンも含まれるが、ここでは多数の電子を剥がされることにより生じる正の原子イオンとする。電子を一つしか持たない水素様イオンがその典型的な例である。水素原子と水素様重イオンでは何が異なるのか、電子数が同じでも原子核の電荷が大きくなると何が変わるのかを考えることで、基礎原子物理学的問題を提供する多価イオンの興味について紹介する。
 また、多価イオンは原子物理的な視点以外にも、いくつかの分野から注目されている。特に多価イオンが主成分となる高温プラズマとは古くから密接な関わりを持つ。例えば、太陽コロナ研究をはじめとする天体分野や、磁場や慣性などの閉じ込め方式に依らず核融合分野においても多価イオンの知見が重要とされている。さらに最近では原子時計など新たな応用も盛んに推進されるようになってきた。それらの話題に加え、多価イオン生成技術についても時間の許す限り紹介したい。


(講義B)
 石井順久 先生(量子科学技術研究開発機構)
  講義題目「アト秒光パルス発生とその応用研究」
概要

 2023年のノーベル物理学賞が「物質における電子ダイナミクスを研究するためのアト秒光パルス発生実験」に対して与えられた。
 本講義では、ノーベル物理学賞の受賞対象となった実験を取り上げながら、アト秒光科学について紹介する。まず初めに、アト秒光パルス発生に必要な近赤外領域の高強度極短光パルスレーザーについて概説する。次に、高強度極短光パルスレーザーによる高次高調波発生という現象(高強度極短光パルスレーザーによって誘起した非線形現象により、奇数次倍の高い光周波数が発生する現象)を用いた極端紫外領域のアト秒光パルス発生やその時間幅の計測手法、アト秒光パルスを用いた最先端研究について解説する。最後に、極紫外スペクトル領域にとどまるアト秒光源を軟X線領域に拡張する研究と、それを用いた元素選択的な時間分解軟X線分光について紹介する。


(講義C)
 増山雄太 先生(量子科学技術研究開発機構)
  講義題目「固体量子センサーの基礎と応用」
概要

 固体量子センサーの基礎と応用について解説します。固体量子センサーは、ダイヤモンド中のNVセンターなどの固体中の欠陥を量子ビットとして利用し、その量子ビットのエネルギーやコヒーレンスの変化により測定対象を計測します。この量子ビットは、半導体の伝導帯や価電子帯からエネルギー的に離れているエネルギー準位を量子ビットとして利用することにより、室温大気圧下を含む幅広い温度・圧力範囲で量子コヒーレンスを保つことが出来るという大きな特徴があります。そして、固体中の欠陥一つでも量子センサーとして利用することが可能なため、原子スケールの微小なセンサーから、欠陥集団を利用した高感度センサーまで、幅広いセンサー形態を用いた多様なセンシングが可能です。本講演では、NVセンター等のハミルトニアンや量子制御・計測の方法などの基礎的な内容から始め、固体量子センサーを使ったセンシングスキームなどの応用的な内容まで幅広く紹介します。と中性子から。


参加方法について

セミナーは、参加登録不要・参加費無料でご参加いただけます。開催日時が近づきましたら、会員の皆様へオンライン会場の接続情報をColl-newsでお知らせいたします。非会員の方で本セミナーに参加をご希望の方は、下記問い合わせ先にご連絡頂くか,お近くの会員の方から会場URLを取得の上ご参加ください。

参加費

無料

問合せ先

原子衝突学会 行事委員会
〒841-0005 佐賀県鳥栖市弥生が丘8-7
九州シンクロトロン光研究センター 加速器グループ
TEL: 0942-83-5017(金安達夫)
E-mail: acr-event[at]kokusaibunken.jp([at]を@に置き換えてください)

行事委員会

金安達夫(SAGA-LS,委員長)
石井邦和(奈良女子大),遠藤友随(QST,現地世話人),大橋隼人(富山大),高口博志(広島大),穂坂綱⼀(QST),山﨑優一(東工大)

ページトップへ