原子衝突セミナー

第30回原子衝突セミナー案内

行事委員会

日程

3月30日(木)
1限 9:00-10:30(90分) 講義A
2限 10:40-12:10(90分) 講義A
休憩(12:10-13:30)
3限 13:30-14:30(60分) 講義B
4限 14:40-15:40(60分) 講義B
3月31日(金)
1限 9:00-10:30(90分) 講義A
2限 10:40-12:10(90分) 講義A
休憩(12:10-13:30)
3限 13:30-14:30(60分) 講義C
4限 14:40-15:40(60分) 講義C

会場

オンライン会場(Zoomによる配信)

主催

原子衝突学会

内容

主に原子衝突と関連領域の大学院生・若手研究者を対象とした大学院レベルの講義。講義は、基礎的・包括的な内容の講義A(90分授業4時限分)と、最先端の研究例を学習する講義B・C(60分各2時限分)からなります。意欲ある学部学生の参加も歓迎します。

講師

各講義の概要

(講義A)
 百瀬孝昌 先生(ブリティッシュコロンビア大学)
  講義題目「極低温の原子,分子,およびエキゾチック粒子の分光とダイナミクス」
概要

この講義では、原子や分子を極低温にする手法、およびその応用について解説します。原子・分子を観測をする上で、観測対象の温度を下げることは、分光の観測精度を上げられるとともに、量子効果の増大した低温固有の新しい現象の検出ができるという利点があります。本講義では、まず低温にしたときの原子分子の振る舞いについて概説した後、原子分子の減速、捕捉の実験的な手法(分子減速機、レーザー冷却、量子凝縮相への捕捉など)を紹介します。さらに、その応用として、分子の量子散乱や超流動の観測、基礎物理の標準理論を超えるモデルへの挑戦、低温の化学反応などについて解説します。また、反物質原子である反水素原子のレーザー冷却およびその応用についても紹介する予定です。


(講義B)
 加藤政博 先生(広島大学・分子科学研究所)
  講義題目「高エネルギー荷電粒子からの電磁放射の時空間構造の制御と応用」
概要

高エネルギー荷電粒子からの電磁放射であるシンクロトロン放射、逆コンプトン散乱、制動放射の3つの過程は宇宙物理学において重要な役割を果たす。一方、地上では、粒子加速器においてこれら3つの過程を利用してマイクロ波からガンマ線までの広大な波長域で電磁波が作り出され幅広い研究領域に応用されている。本講義の前半では、高エネルギー自由電子からの電磁放射の基礎を解説し、放射光源や自由電子レーザーに代表される粒子加速器を用いた電磁波発生法を概観する。後半では、最近の話題として、電磁放射の時空間構造の制御とその応用の可能性を取り上げ解説する。高エネルギー電子の運動を制御することでダブルパルスやチャープといった特異な時間構造、光渦やベクトルビームといった特異な空間構造を有する電磁波が生成できることを示し、その応用の可能性を展望する。


(講義C)
 高峰愛子 先生(理化学研究所)
  講義題目「原子物理分光技術で覗く原子核の世界」
概要

陽子と中性子からなる有限量子多体系である原子核は、その複雑さ故まだ統一的に理解できる理論も構築されていない。原子核の種類は実はそのほとんどが短い寿命で崩壊し他の核へ変わってしまう不安定核が占め、しかも従来の原子核物理の常識を覆すような奇妙な原子核が数多く発見されており、原子核の統一的な理解には不安定核研究が欠かせない。原子核のエネルギースケールは典型的にMeV以上であり、原子核反応やガンマ線観測を利用して原子核構造を理解しようという試みが主だが、一方、飛行時間質量分析計による、原子核の安定性を直に表す質量測定や、原子スペクトルの精密分光による原子核の大きさ、電磁気モーメントの測定といった、原子物理技術を使った精密分光により原子核基底状態や長寿命励起状態の性質を原子核理論によらず引き出すという研究も盛んに行われている。本セミナーではこういった研究を中心に、その手法や結果からどのような知見が得られるかを紹介する。


参加方法について

オンラインセミナー会場へは、参加登録不要・参加費無料でご参加いただけます。開催日時が近づきましたら、会員の皆様へオンライン会場の接続情報をColl-newsでお知らせいたします。非会員の方で本セミナーに参加をご希望の方は、下記問い合わせ先にご連絡頂くか,お近くの会員の方から会場URLを取得の上ご参加ください。

参加費

無料

問合せ先

原子衝突学会 行事委員会
〒841-0005 佐賀県鳥栖市弥生が丘8-7
九州シンクロトロン光研究センター 加速器グループ
TEL: 0942-83-5017(金安達夫)
E-mail: acr-event[at]kokusaibunken.jp([at]を@に置き換えてください)

行事委員会

金安達夫(SAGA-LS,委員長)
五十嵐明則(宮崎大),石井邦和(奈良女子大),遠藤友随(QST),大橋隼人(富山大,現地世話人),高口博志(広島大),穂坂綱⼀(QST)

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