過去の原子衝突若手の会

第25回 原子衝突若手の会 秋の学校活動報告

若手の会事務局代表 上智大学 田中隆宏

第25回若手の会『秋の学校』は、11月5日から7日の3日間に渡り、上智大学軽井沢セミナーハウスに於いて行われました。
関東、北陸、東北、関西各地区の8研究室から総勢33名の学生、先生及び研究員が集まり、講義、ポスターセッション、懇親会に参加しました。

講義について

講義内容は以下の通りです。

  1. 田沼 肇 先生  (東京都立大学・助手)
    • 『虹の話』
    • 『極低イオン衝突実験法としてのイオン・スウォーム入門』
    • 『多価イオンの電荷移行反応の分光学的研究』
  2. 木野 康志 先生  (東北大学・助手)
    • 『少数多体系の理論』
  3. 石井邦和先生 (奈良女子大学・助手)
    • 『Classical Over Barrier Modelについて』
    • 『最近の研究(液体分子線へのイオンビーム照射)について』

今回の講義は全てイオン衝突に関するものでしたがテーマを1つに絞ることによって、イオン衝突に関して基礎的なことから最近の研究まで実験・理論の両面からしっかりと学ぶことができました。参加者はどの講義にも真剣に耳を傾け講義の時間外にも質問するなど、積極的な姿勢が見受けられました。ただ、ここ数年行ってきた、ドクターの学生による研究紹介を行えなかったのが幹事として至らなかったと反省しております。

ポスターセッションについて

例年恒例の参加者によるポスターセッションを2日目の夜に行いました。第23回の若手の会から始めたポスター賞の選出を今年も行いました。参加者全員に最も面白いポスターを1つ選んでもらい、最も得票数の多いポスターを書いた方にポスター賞の商品として、ポスターボードを贈呈しました。今回の「第3回ポスター賞」には、上智大学田中研究室の田中隆宏氏による「O2のO1s内殻励起状態の崩壊過程の研究」が選ばれました。
 ポスターセッションも講義と同様に積極的に質問や議論を行う参加者が数多く見られました。時間を過ぎてもなお議論を行う方が多く、もっと長く時間を取ればよかったと反省しております。ポスターセッションは、若手の学生同士が互いに議論しあうには非常に良い機会であり、今後とも続いていくことを願っております。

懇親会

初日に簡単な研究室紹介を行いました。各研究室とも趣向を凝らした紹介を行っており、初日の独特の雰囲気が和みました。また、最終日には当研究室の田中大教授が、学生が今後研究者として芽を出すようにと激励の意味をこめて手短にお話していただきました。
 懇親会は初日と2日目の夜に行われました。特に2日目の懇親会はポスターセッションの後に行われたこともあって夜遅くまで議論がなされたようで、他大学の学生間の交流の場として役立ったと思います。

来年度の幹事校について

平成17年度の若手の会事務局を東京工業大学の河内研究室に決定致しました。新事務局への更なるご支援をお願いする次第であります。

最後に

今回秋の学校の運営に携わり、より一層秋の学校の重要性を認識すると共に運営側の大変さを実感いたしました。秋の学校を通して各参加者に新たな交友関係が生まれ、今後の原子衝突の分野の発展につながることを願っております。
 最後になりましたが、秋の学校を開催するにあたって多大なるご協力とご支援を頂いた原子衝突研究協会と、ご講演を賜りました講師の皆様に、この場を借りまして今一度厚く御礼申し上げます。

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